解説付 臨床工学技士国家試験 第36回 午後:第17問

カテーテルアブレーション治療の適応となる不整脈はどれか。3つ選べ。

a: WPW症候群

b: 心室頻拍

c: 発作性心房細動

d: 洞不全症候群

e: Wenckebach型房室ブロック

電気興奮が刺激伝導系を正しく伝わらず、刺激伝導系以外の道筋を通って興奮が伝わったり、司令塔以外の別の場所から異常な電気刺激が発生してしまうと、心臓の規則正しい拍動が乱れ、不整脈になる。不整脈を大きく分類すると脈が遅くなる「徐脈性不整脈」と、脈が速くなる「頻脈性不整脈」がある。カテーテルアブレーション治療の対象となるのは頻脈性不整脈のうちの房室回帰性頻拍(WPW 症候群)、房室結節リエントリー性頻拍、心房細動、心房粗動、心房頻拍、頻発性心室期外収縮、心室頻拍である。

a:正解。正常な刺激伝導系だけでなく、副伝導路(ケント束)という別の通り道が存在するため、電気興奮が心房と心室を含む大きな興奮回路を生じてしまう不整脈である。

b:正解。心室から、心室期外収縮が、高頻度に出現する(心拍数が1分間に120回以上の頻度で心室期外収縮が3連発以上出現する場合)ものを心室頻拍という。

c:正解。発生から7日以内に自然停止する心房細動を指す。心房細動は、300~600回/分の頻度で心房が不規則に興奮し、脈拍がばらばらになる症状のことである。

d:洞結節細胞群の障害や、洞結節から心房への電気刺激の伝わり方が障害されることにより引き起こされる。

e:第2度房室ブロックには、心室伝導がブロックされる前のP-Q間隔の変化によりWenckebach型(Mobitz I型)とMobitz II型に分類される。Wenckebach型(Mobitz I型)では、心房から心室への刺激伝導時間が徐々に延長し、ついには伝導が中断され心室興奮が脱落する。続く心拍で、伝導は初めの伝導時間に戻り、また徐々に延長して脱落し、この周期をWenckebach周期という。

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臨床工学技士 国家試験 過去問
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